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良い老人ホームの経営者の条件

私が3000カ所以上の施設を訪問した中で、厳選優良ホームの経営者(資質・条件)について感じたことを5つにまとめました。

①経営判断を下す人物が、情熱・謙虚さを持ち、正直であること

これはどの分野にも言えることだとは思いますが、こと介護業界については、いわゆる親会社の出向や出世した結果のサラリーマン的な経営者も少なくありません。

介護は対人サービス業であり、時に生死に関わることもあります。教科書的な対応だけでは不十分な時もあり、それは感情的な部分に頼る時があります。

経営者の姿勢はその組織の下の部分まで反映されます。教科書的な経営者では下で従事するスタッフも教科書的な対応に終始します。それは支援される側の「感情」をおざなりにした対応になりがちです。

逆に経営者が自身で考え作り上げた組織は決してお客様である「入居者」や「家族」の感情を無視しません。例え一般的に不条理であることでも、納得するまできちんと説明し付き合ってもらえるでしょう。

②経営者は、優れた施設長を選べること、確保できること(理念、統率力、コミュニケーションカ)

一定の規模になると、どうしても施設長に任せる部分は大きくなります。この施設長が納得して業務を行っているというのは非常に重要です。

というのも、この施設長が施設で業務するスタッフにとっては、いわゆる「鑑(かがみ)」です。この鑑を見たり、意識したりして業務を行います。

この鑑が納得せずに不満が高かったり、気力無く業務を行なっている施設はどうなるでしょうか?答えは簡単かと思います。

経営者は施設長にどのような責任と権限を付与できるか?が実は非常に重要です。優れた施設は施設長にこちらが想像している以上の権限を付与され、活き活きと業務を行なっています。一方、その逆ではいわゆる「本社」という所からの指令に従事するだけで、不満を燻りながら行なっています。燻っているならまだマシなのですが、燻りもなくなり燃えカスのような虚な眼で業務を行なっている場合もあります。

③知識・技術・経験に加えて、観察・傾聴・推察・忖度を怠らない。(個別ケアこそが平等・公平なことを知る)

経営者は現場に出て、今その現場がどのような状況であるのか?を自らの感覚で把握することに努める必要があります。

なぜなら部下にそういった現場の問題点を報告させると、そこには何らかのバイアス(圧力)がかかり、正確な情報でない場合が起きるからです。

四六時中とは言いませんが、1ヶ月に複数回は現場の状況を自分なりに把握・解釈する業務を行なっている経営者でなければ問題の本質的な解決に至らない場合が多くあります。

④死生観・宗教観・倫理観・加齢への共感があること

現代社会は人々の趣向が多様化しており、それは死生観・宗教観・倫理観・加齢でも同じです。これらはそれぞれの考え方・捉え方があるのは当然で、「こうあるべき」というのはナンセンスなことです。

これらのことに共感し理解してくれるからこそ、その先にある対応についても真剣に考えてもらえます。

これらについて一方的な価値観の押し付けをしてくる経営者には注意が必要です。

⑤終末期の老人と新生児、乳幼児、幼児の判断力、知力、共通点がわかれば介護は容易

1980年代後半に米国フロリダ州大西洋に面した海岸にアルツハイマー専門施設を訪問した際に、進行した認知症の入居者のお世話は、乳幼児・幼児の子育て経験者の対応と介護が最適であるとの説明にいたく感心した記憶があります。
また、日本の施設運営者からも新生児が誕生後、産声を上げたあと、おっぱいを吸うこと以外、母親や周りの人に全面的に依存しながら、少しづつ自らの意思と力で、寝返り・這い・立ち・歩き・走り、やがて6歳ごろにはほぼすべての身の回りの作業ができる、反対に臨終に向う老人は最後に身に着けた能力から、欠落したり・忘れたり、できなくなり、言葉もなくして、首もたれて、下も無理となる過程は新生児の成長と正反対であります。
そこで、ささやかな記憶・理性・知性の人物に接する術と心構えは、母親のごとく観察・傾聴・察し・思いやり・心配りの介護となります。

私はそれを、アナログ期、デジタル期、そして最後にまたもアナログ期の存在となる人間のお世和を幼児に対する母親的な対応が重要であり、最適と考えています。

これらを意識できる経営者はスタッフに対する指導方針も、意識できない経営者とは大きくアプローチ方法に違いがあります。

まとめ

以上、5つにまとめてみました。経営者の姿勢は非常に重要です。その姿勢は全てのスタッフ・業務に反映されます。

施設長も確かに重要です。そこで業務するスタッフも重要です。しかし、その根っこの部分には「経営者」の人間性が多分に反映されていることは是非とも知っておいて下さい。

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