2022年11月初旬、ネスト実籾(デイサービスセンター)を訪問しました。
こちらは「株式会社かいごデザイン」が運営するデイサービスになります。
元ふぐ料亭を改装したという建物・・・外見はデイサービスに見えません。
中に入ってみると、ますますデイサービスではなく、本当に食事処のような佇まいです。
実はご利用者は1Fではほとんど過ごさず、来訪後はメインである2Fに移動します。
2Fに移動するには段差やそれなりに勾配のきつい階段を通ります。
2Fに移動すると、ご利用者の楽しそうな会話が聞こえてきます。とても明るい雰囲気です。(中の雰囲気は公式HPをご参照下さい。)
テーブルの下に足が置き易いように足置き台を設置したり、ソファーが4つあったりと、随所にスタッフの工夫が見られます。
昼食時に訪問したので、無理をお願いして同じ昼食を頂くことに。全て手作りで、漬物は自前で漬けたもの。美味しくないわけがありません。
地域密着型で10人の小規模ですが、現在は利用枠は一杯でお待ちしている方もいる状態とのこと。そのため、あまり広報活動はしたくない・・・という嬉しい悲鳴を上げているデイサービスです。
そしてそれは実際にこの空間に入ってみると、それは当然と納得してしまう空間です。入った瞬間にわかる温かさ・安心感があるのです。この「空間」なら過ごしたいと思えるのです。
社長の中川さん、施設長の坂田さんに取り組みなどを少し伺いました。
・ご利用者の中には「集会所」と思って来られている方がいる。
・デイサービスにかかってきた電話をご利用者が取られる時がある。
・障子の張り替え、食事のしたごしらえなど、ご利用者に様々な準備をご案内している。
・食事以外は来られた方が各々のペースで過ごす(集団で何か一緒に、、、ということが少ない)
・当日の予定が変わることは良いことと捉えている。
・ご利用者に対し「褒める」と「感謝する」をスタッフが徹底して区別している。
・誕生日会は全て個別で行う。
・時にレクリエーションなどの役割募集の案内を掲示し、ご利用者が応募する。
などなど・・・独自の取り組みをお聞きすることが出来ました。
他にも経営や人材運営で意識されていること、独自の取り組みである「石垣組織」などのお話も大変興味深いものがありました。
介護人材難が叫ばれている昨今ではありますが、「株式会社かいごデザイン」では応募採用率は30%程度となかなか狭き門となっております。そして当然ですが離職率は低い状態が長く続いております。
「3年いればベテランスタッフ」といわれる業界にあって、8年在籍でも中堅スタッフです。
なかなかこのような素晴らしい施設や運営会社はありませんが、全くないわけではありません。
老人ホーム探しをされている方におきましては、建物の豪華さや華美な言葉に惑わされずに、介護の本質的な部分をしっかりと見定めて欲しいと思います。