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スイス チューリッヒ 「シデファデリ」

今回紹介する「シデファデリ」はスイスはチューリッヒ市の中心部から1 km ほどの傾斜地の一般団地に隣接した市営の老人ホームである。 八角形、5階建ての建物で鮮やかな赤い手すりが白い壁に映える、施設とは思えない洒落た雰囲気である。 館内のインテリアもオリジナルの美術品などがふんだんに飾られ、南斜面の庭には手入れの行き届いた花壇と植木が目を和ませてくれる。要介護入居者の部屋が68、健常者様が7室、広さはそれぞれ18平米、37平米であるが欧州ではバルコニーは広さに含めず、壁の内側の広さであるため日本の居室より2割くらい大きく感じられる。

説明の第一声は「退職した老人こそ街の喧騒と文化的な刺激が必要なので、 市街地に立てました」とのこと。他の26か所も郊外の辺鄙なところにはないということである。

 このホームでもう一つ記憶に残るのは市民の多くがドイツ系ということからか、ホームの外も、中もその清掃と整理整頓の徹底ぶりである。 特に地下の営繕担当者の道具置き場は同行の主婦の方も呆れるほどの几帳面さで塵一つ落ちておらず、 食料棚の缶詰のラベルの向きまで揃える徹底ぶりである。

スイスでは戸建ての住宅はもちろん、老人ホームの地下にも核シェルターが用意されている光景は、 日本人にとっては別世界・異次元の風景である。

勤勉・ 節約をモットーとするスイス人は地下の核シェルターを物置に使う人が多く、年に一度はシェルターの整理キャンペーンがあり、 粗大ゴミを捨てさせるのだが、それを拾ってシェルターに入れる人がおり、毎年イタチごっこが続いているということである。

チューリッヒ市内の地下にある市営駐車場が2000人を収容できる核シェルターであることを教えられ厚かましくも見学を申し込んで OK となった。

スイス人はここまで徹底してやるのかという見本である。年に1回は実際にこのシェルターの中で盲腸の手術などを行い、 いざという時にも大丈夫か確認しているとのこと。

シェルター内には子供たちのための絵本なども準備されており、放射能灰が落ち着く2週間の避難生活の対策が配慮されていることにも脱帽。

医師は常駐していないが看護師は24時間詰めており、所長夫婦も最上階に住み込んでいることは安心である。

費用負担は各自の収入と資産によって異なるが、7万円〜18万円/月の年金の範囲内である。

*高齢者住宅新聞 2010年3月25日号 掲載

「シデファデリ」ホームページ(スイスのサイト)
https://www.stadt-zuerich.ch/gesundheitszentren/de/index/standorte/sydefaedeli.html

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