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アメリカ ニューヨーク 「ワインバーグキャンパス」

自立から要介護住替え要らず

施設のタイプとしては、 米国式の定義で CCRC (contuning  care retirement comunity)翻訳すると継続介護施設となる。

いわゆる健常な時に入居し、要支援、 要介護になっても最後まで引越し・移動することなく、同じ敷地内で介護を受けられる施設である。

健常者用住宅52戸、要支援者用住宅96戸、介護用ベッド180の規模で木造二階建て。

敷地内・ 建物内の設備、アメニティはまず保育所(スタッフ及び地域住民用) デイケアセンター、ボランティア事務所、銀行出張所、 売店、歯科クリニック、眼科クリニック、診療所、 在宅サービス事務所、フィットネスクラブ、リハビリ用プール、ランドリー、美容室、アクティビティルーム、 食堂などがある。

ハード・ ソフト両面から革新的なことは15年も前に、 米国でユニットケアを既に実施していたことである。創立者であるダンケルマン氏は10代のナーシングホームの長い廊下は食事・入浴のたびに移動が伴い、 入居者には体にきつく、スタッフには時間・ 人件費の無駄と考えた。そこで介護エリアのレイアウトをクラスター(房・塊) と形式とし、食堂・ 浴場などを分散し入居者の日常の動線の短縮化を図った。

ナースステーションを廃止して、7室7人の入居者を一つのクラスターとして、クラスターごとの廊下部分に、 椅子・ 書棚を置き、ヘルパーを クラスターマネージャーとして、責任と権限を持たせ、一人のマネージャーが 7人のほとんどのお世話を受け持つ仕組みとした。

通常のナーシングホームは、 介護・ 食事・清掃・レクと業務ごとに 人員を配置する分業制をとっていたが、これでは複数の人が一人の入居者に短時間ずつ関わるので、包括的にいち入居者を 見ていないことに疑問を持った。

このシステムにより現場職員は入居者との強い結びつきを持ち、 やりがいを感じ、離職率が大幅に軽減した。

PT・OT・ ソーシャルワーカー・医者などもナースステーションや、 生活相談室などでなくクラスターまで来てもらうことで、入居者はほとんど移動せずにサービスが 受けられるようになった。高齢者を動かすのではなく、「 サービスを動かす」 という発想で、 ケアコストの軽減を目指したものである。

中間管理職をなくし、 部門管理をなくし、上がり続ける人件費を抑えるやり方は米国の同業者には過激すぎて理解されなかったそうである。

しかし、 この方式は入居者・家族・スタッフの絶大な支持を受け、現在この施設の規模はレジデント総数750人の大規模施設でありながら満室を維持して評判も上々である。 

*高齢者住宅新聞 2010年7月25日号掲載

公式ホームページ(アメリカのサイト)
https://www.weinbergcampus.org/

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