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損得勘定より経営者・スタッフの姿勢を重視しましょう

「充実の生き方、納得の逝き方」を支えてくれる老人ホームが、私のお薦めするホー ムです。前回触れた「充実の生き方」に続き、今回は「納得の逝き方」についてお話ししましょう。

『納得の逝き方』とは?

お元気な方には「納得の逝き方」という言葉は、愉快な話題ではないかもしれません。しかし、認知症が進行してうまくしゃべれなくなったり、つえや車椅子のお世話になるころから、介護スタッフの良しあしがわかり、ありがたさが身にしみるのです。 認知症が進むと、何を言われても、されても、わからないと思われがちです。とこ ろがその実、脳の障がいで単語が出なかったり、うまく発音できない、表現できないというだけで、自分に起きたこと・されたことは非常に敏感に感じ取り、愉快・不愉快も感じているようなのです。

確かに、理解力、記憶力、思考力などは30代、40代には及びもつきませんが、終末期に近づくにつれて、動物的・本能的に自らにとって「良い人、悪い人」「好きか、 嫌いか」「居心地がいいか、悪いか」などを鋭く受け止めるとともに、「敵か味方か」を仕分けて記憶し(このような記憶は維持されるらしい)、嫌な思い出のあるスタッフには近づかず、避けて無視することはよくあります。

『勘定』よりも『感情』が大切

認知症の方にとって、数字や理系の話は無理でも、アナログの情緒的、感情的な分野は衰えを知らず、ものごとの、選択、判断、決断は「感情」で行う傾向が強いと言われます。数字に強い時期は「勘定」ですが、情緒の時期になると「感情」で処理するというわけです。

もう1つの鍵が、少ない残存能力の中で、異常なまでに強く残っている「恥」と 「プライド」です。幼児も、自分自身を無視、軽視されると怒りや不満をもって抗議、 抵抗を示しますが、実は超高齢者、終末期のお年寄りにも、体力、気力を超えたエネ ルギーで怒りや不満を表される方、ケースもよく見受けます。

そこで老人ホームを選ぶ際に大切なことは、やはり経営者、施設長、現場スタッフの姿勢となります。つまり経営上の損得の「勘定」より、終末期を迎えた入居者に残された「感情」を大事にする情熱や誠実さ、謙虚さ、正直さです。

世間で「地獄の沙汰も金次第」と言われますが、これは老人ホームのサービス、介護には通用しません。コストパフォーマンス(費用対効果)というのは、不動産、建築、設備には当てはまりますが、人とサービスは「勘定」だけでははかれません。 「感情」が合うことが大事です。

*日刊シニア 2020年10月6日掲載

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